2007年07月25日

原発リスクマネジメントの崩壊?

 新潟県中越沖地震で放射能漏れの被害を出した柏崎刈羽原子力発電所に、IAEAの調査が入ることになった。IAEAの調査と言っても、どこかの聞き分けの無い国での調査とは違って、今回の地震の原発への影響に関する情報を世界中で共有し合うことが目的である。ところが、そうした目的とは別に、地元が住民の不安や風評被害の沈静化に向けて、同機関の調査に期待しているという。もはや日本国内の関係機関よる調査結果では、安全確認のお墨付きにはならないということである。
 
 これまで幾度となく原発の安全点検データが改竄されていたことが明るみに出て、電力会社のトップたちが、テレビの前で国民に頭を下げたばかりだ。今回の地震では、使用済み燃料プールの放射性物質を含んだ水が海に放出され、排気筒からも放射性物質が放出され、変圧器に火災が発生した。これらの事態に対しても、すぐ近くにあった活断層を見落としていたために、想定外のことであったと、お粗末な言い訳をしている。こんなことを繰り返しているうちに、重大な事故にならなければと心配になる。これでは、国際機関の調査にでも頼るしかないという地域の人たちの心情がよく分かる。IAEAの調査団も、現在どこかの国の調査でお忙しいだろうが、この際新潟に限らず、日本全国の原発の調査を依頼してみてはどうだろうか。地元の人たちが、安心するか大騒ぎになるかは分からないが。(時間があれば、ついでにジェットコースターも)
 
 それにしても、わが国の原子力利用におけるリスクマネジメントの総括的責任を負っている原子力安全委員会などは、現在どのような活動をなさっているのであろうか?エネルギー資源の枯渇問題で原発への期待が膨らむ一方で、そのリスクマネジメントに対する不信感や不安感が高まっているのに、いっこうにその存在がはっきりしない。
  

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2007年07月23日

官僚大国日本―「スシポリス」第2章

 以前、ブッシュ政権が進めるテロ対策で、労働ビザが出にくくなって、アメリカのすし職人が不足し、これに対し日本の農水省が「海外日本食レストラン推奨制度」という珍奇な制度によって、日本食店に日本政府のお墨付きをあたえようとしている話を聞いた。欧米メディアから「スシポリス」と揶揄されて評判がよくないという例の話である。
 
 「日経ビジネス」(7.16)に「官治国家再び」という特集で、この制度のいきさつが詳細に語られている。特集の中の「認証制度花盛り」という項によると、この制度についての有識者会議を立ち上げた時の名前は、「海外日本食レストラン認証制度」であったらしい。電子メールなどでパブリックコメントなどを募ってみると、「調査と称して役人の海外旅行を税金で肩代わりさせられる」などの意見が出てきて、雲行きが官僚の思惑と違う方向に流れ出して、会議は「認証」から「推奨」へとトーンダウンしたという。海外からだけでなく国内からも、総スカンを食らっているのである。
 
 記事は、社会保険庁の年金問題・緑資源機構の官製談合など相次ぐ霞ヶ関の不祥事に、政治や国民が「官の大改革なし」に、日本の将来はないという思いを強くしている中で、今も官の支配は、より巧妙に静かに潜行し、拡大しているという。次から次へと新手の知恵(?)が湧き出てきて、「社会保険庁の解体」や「公務員制度改革」程度の改革では、どうにもならないところに来ているようだ。
 
 ブッシュ政権におけるテロ対策と人材確保の矛盾から派生した「スシポリス」構想は、安部政権の「戦後レジームからの脱却」と「官僚大国―日本」の対立をも表面化させた。ところで、日本におけるこの対立のスケールの大きさには、アメリカにおける矛盾のスケールも足元にも及ぶまい。しかし、阿部さん、どんなに官僚の抵抗が強かろうと、選挙を前に弱音を吐くわけにはいかない。出来ようが出来まいが、ひたすら“改革・改革”と叫び続けるしか他に道はない。
  

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2007年07月20日

入れ歯人生の幕開け

 ついに、とうとう、やむなく、一大決心をもって、わが人生を悩まし続けてきた一本の歯周病に冒された歯を抜くことになった。最初に腫れを伴った痛みを感じてから、すでに7,8年は経っているであろうか?始めのうちは、食塩を擦り込んだりしてごまかしておけば、2、3日もすると、痛みはいつの間にか治まっていた。しかし、その症状が出る間隔が、だんだん短くなってきて、ここ数日は三度の食事を終えるごとに、鎮痛剤が必要になってきていた。
 
 「抜くか抜かないかは、ご自分で決めてください」にこやかな顔をして、先生は冷たく言い放つ。何とか抜かずに元に戻す手立てはないのかと思うが、鎮痛剤の力を借りてあくまで、あの痛みと対峙するほか、入れ歯を免れる術はなさそうだとあきらめる。いよいよ入れ歯人生の始まりである。
 
 人は誰も、人によって多少のばらつきはあるが、年とともに歯が抜け腰は曲がり皺くちゃになり、体は思うように動かなくなる。身体能力の低下だけでなく、記憶力や気力や思考力も同様である。必ずそうなることは百も承知であっても、しかし、凡夫はそれに抵抗して苦しむ。仏教のいう「生老病死」の四苦である。お釈迦様は、修行を重ねてこうした凡夫の四苦も八苦も乗り越えることに成功した。その方法はいたって単純である。各人の心の中に巣くっている煩悩という穢れを、取り払えばいいのである。しかし、そうはいっても、歯周病の歯を抜いてもらうようなわけにはいかない。方法は単純であっても、実行は難しい。
 
 なにはともあれ、歯は抜いた。とりあえず、あの痛みも苦しみも、免れることができた。これからも次から次へと同じことを繰り返し、そしてやがては総入れ歯になるのだろう。その頃には、お釈迦様と同じように、煩悩とおさらばしているだろうか?わが入れ歯人生に幸あれ。
  

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2007年07月12日

IT化の余地と進め方

 百五銀行が銀行基幹業務システムとして、世界で始めて「ウィンドウズ」によるオープンシステムを開発して、今月、全国の地方銀行の情報システム担当者が見学に殺到したという。共同運用が実現すれば、開発コストや維持費は独自システムに比べて約三分の一らしい。独自システムの開発費は少なくとも数百億、下手をすると数千億はかかる巨大システムであろうから、セキュリティー対策などの経費を上乗せしても、計り知れない経費節減が可能となるのだろう。
 
 これに似たような話で、地方自治体の基幹業務システムなども、共同開発・運用を行えば、莫大な経費が節約できるはずである。平成の大合併などといって、無理やり縁組させなくても、せめてシステムの共同開発・運用くらいはできないものかと、傍から見ている者は思ってしまう。公共事業の透明性確保の一環として導入された「電子入札システム」は、いろいろ課題も残したが、国交省主導でようやく標準システム開発の形をとった。これが独自システム開発であったとすれば、ソフト開発会社は喜んだであろうが、自治体は膨大な予算を計上しなければならなかったはずである。
  
 政府は、医療機関が健康保険組合に支払いを求める「レセプト」を三年以内に電子化する目標を掲げた。内閣府は、これによって「年間一兆円の医療費が削減できる」と予想する。いまさら、何を寝ぼけた話かと、社会保険庁の年金管理ほどではないにしても、お粗末な話に思える。
 
 銀行やお役所だけの話ではない。一般企業の中にあっても、システム化を図ることによって、経費の節減や効率化が明白な状況が、放置されたままの事例は掃いて棄てるほどある。それぞれに、様々な事情があってのこととは思われるが、いずれにしても、「わが国のIT化は、むしろこれからであり、その進め方に検討の余地あり」というのが実感である。
  

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2007年07月10日

Pinotプロジェクト-その5

 売上高1兆2千億円、時価総額18兆円。まだ8歳に過ぎない会社の話である。その会社とは、言わずと知れた「グーグル」のことだが、今日の話はその成長のすさまじさではなく、この会社にこれだけの富をもたらした検索技術についてである。

 ネット文明の扉を開いたといわれる同社の検索サービスは、まだまだ発展途上にあって、「グーグルキラー」と呼ばれる後輩たちによって、虎視眈々とその地位を狙われているという。現在はちっぽけな存在でしかないそれらの会社の技術は、「キーワード」を入力して関連情報を取り出すというグーグル方式ではないようだ。それらは「自然言語検索」であったり、「検索エンジン」ならぬ「推薦エンジン」であったりするらしい。「サーチからリコメンデーション」という潮流が広がりつつあるという。

 情報取得の要求は、突発的もしくは一時的なものと継続的なものがある。好みや興味に関係する情報取得の要求は比較的持続する。人は、自分の好みや興味に関係する情報が、ネット上に新しく登場してきたら、さりげなくリコメンデーションして欲しいと思う。この要求は、「お気に入り」サイトを登録するだけでは、満足できない。この種の要求に応えるのが、我ら「Pinotプロジェクト」なのである。何が言いたいかといえば、多くの「グーグルキラー」たちが目指している「推薦エンジン」なるものは、すでにPinotが実現している技術だということである。

 売上高や時価総額を多く望むつもりは無い。早くPinotを実用化して、高齢者など情報弱者と呼ばれる人たちに、生きがいや安心・安全をお届けしたいだけである。(ほんとか~?)
  

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2007年07月04日

「銀亭倶楽部」

 もう、かれこれ20年以上も前のことだろうか、以前の会社が大阪の肥後橋界隈にあった頃、行きつけの飲み屋で知り合った仲間たちが、定期的にその店を借り切ってパーティをするようになった。店のメニューに物足りなくなっていた常連客が、マツタケだのクエだの日頃口にできない季節の食材を、その日ばかりは堪能しようと、張り込んだのが始まりだった。様々な職種の様々な年代の客が、一切の利害を離れ、唯々飲んで食ってしゃべってという少々奇妙なコミュニティが出来上がった。かれこれ10年くらい続いたが、そのうち、会社が移転して足が遠のくにつれ、途切れ途切れになり、その店も姿を消して、やがて消滅してしまった。

 ところが、5年位前になろうか、ひょんなことから、かつての仲間の何人かが再び「銀亭」という居酒屋に集まるようになった。以前に比べると人数はかなり減ってしまったが、いつの間にか「銀亭倶楽部」という正式名称まで付いて、相変わらずたわいの無い話をしている。先日、遊び仲間の「定年記念パーティ」に呼ばれて、久しぶりに大阪に戻ることになり、事前に連絡して半年振りに仲間の顔を見ることができた。

 そこには、同じ会社の仲間と飲むのとは違った味がある。ありのままの自分をさらけ出して、何の気負いも遠慮も無い会話には、安らぎがある。人は、それぞれ家族や会社や親戚など様々なコミュニティを持っている。最近では、ネットでSNS上のバーチャルなコミュニティを楽しんでいる人も増えてきた。しかし、「銀亭倶楽部」には、これらのどのコミュニティにも無い味わいがある。その味が、今日まで続かせてくれたのだろう。これからも、それぞれのコミュニティで味わった苦味を、この味で口直ししていくことにしよう。
  

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